78枚あるタロットカードのひとつひとつが持つ意味を解説しています。
21.世界 The World
【キーワード】
- 統合
- 完成
- 関わり合い
- 達成
大アルカナ最後のカードは、そこに存在するにふさわしい「完成」という意味を持ちます。もっとも優美でもっとも輝かしいカードです。
女神ヴィーナスを連想させる女性は、勝利のシンボルとして多用されるリースで囲まれています。リースの上下には、無限大∞(レムニスケート)の形に赤いサッシュが結ばれています。結果は常に無限であるという象徴のように思えます。
カードの四隅に描かれているのは運命の輪と同じく象徴的な像ですが、このカードにおいてはより現実的に完成度が高くなっています。これらの像は占星術における4つの不動宮、並びにひとつの四季を表しているとされています。牡牛は牡牛座(春)、ライオンは獅子座(夏)、鷲は蠍座(秋)、そして人間は水瓶座(冬)です。
日常においてふと自分がとても満たされていると感じることは、誰しも多かれ少なかれ身に覚えがあるでしょう。それはいつでもどこでも起こり得ることであり、非常に喜ばしいことです。それはどこからやってくるものなのか、それを示してくれるのが世界のカードです。
幸せのもっとも大きな要素は、全体がひとつであるということ、すなわちすべてのものが調和のもとにあるという感覚です。ただしそれは静的で固定された状態ではなく、動的な状態での調和です。
幸せを感じるためには、私たちはまず自分を取り囲んでいるものとの間につながりを感じなくてはなりません。また、目標を持ち、それに向かってうまく進んでいることからくる充足感も必要です。これらの要素が組み合わさった時、私たちは満たされ、世界から祝福されているように感じるのです。このカードが示しているのは、まさにそのような状態であり、また、それに向かっている状態であるということです。
リーディングの中で世界のカードは、自分が心の底から求めていることを実現する状況にいる、というとてもポジティブなサインです。それが具体的に何なのかはその人の状況によりますが、たとえ現在困難な状況にあってあきらめそうになっていたとしても、最後には美しい完成が待っていることを期待して下さい。
ただし忘れてはいけないのは、このカードは他者への積極的な貢献と奉仕のシンボルであるということです。幸福や成功を手にするためには、まずは自分勝手を改め、自分自身を他者へと明け渡さなくてはなりません。それこそが本当の幸せの根源にあるものです。
【正位置の主な意味】
- 全てがひとつであると感じる
- 共同で行う
- 現状を打破する
- 動的な調和を実現する
- 結びつける・結びつく
- ゴールに到達する
- 心からの望みを実現する
- 夢が叶う
- 貢献する
- 天賦の才能を活かす
- 他者に心を開く
- 人生の喜びを味わう
- 満足感を得る
- 祝福を感じる
【逆位置の主な意味】
- 失敗というよりは、停滞または遅延
- 孤立
- 無関心
- 後退する
- 統一性の欠如